介護業界では、人材不足に悩んでいる施設が多いことから、派遣社員を導入する事によって人材不足を解消しようとする動きが見られています。派遣社員は、一定期間のみ施設に派遣されると言うスタイルのものから、正社員に入社見込みでの紹介予定派遣というスタイルのものなど、多彩なスタイルが特徴です。 ただし、実際に派遣社員として施設に入った場合、既存の社員からすると「一定期間しか仕事をしない」と意識されている事から「すぐに辞める」「教えてもムダ」「すぐにいなくなる」とレッテルを貼られている事も少なくないようです。それらの意識は、いずれも派遣社員を見下したものである事が多く、結果的にこれらの意識から意識的もしくは無意識に派遣社員いじめが行われている施設も少なくないようです。 また、派遣社員と正社員では派遣社員の方が時給が良いという特徴も、いじめを誘発している要因であると言われています。同じ仕事をしているのに給料が違うというところは、介護職の仕事の大変さもあいまって大きなストレスとなることから、ストレス発散を目的に派遣社員をいじめの標的としているようです。いじめの内容としては多岐に渡り、「必要な情報や仕事を教えない」「わざと仕事量が多いものを振る」「介護に手間がかかる高齢者を割り振られる」などのものが多いようです。いずれも派遣社員という立場を利用した陰湿なものである事が多く、精神的に追い詰められるだけではなく身体的にも負担が増える事が原因で派遣社員が辞めてしまうということも少なくないようです。もちろん全ての介護施設でこのようないじめが横行していると言うわけではありませんが、いじめが起きている場合には表面的には分からないものが多いため注意が必要となります。